動物園を訪れる際、動物たちが何を食べているのか、どのように食事をしているのか、考えたことはありますか? 安佐動物公園では、ライオンの肉食からマルミミゾウの特殊な食性、そしてフラミンゴのユニークな食生活まで、動物たちの「食」の多様性が保全における重要なテーマとなっています。
動物園の食事(飼料)は、野生での食生活を再現しつつ、栄養バランスや消化器への負担を考慮して、獣医師と飼育係によって厳密に管理されています。各ゾーンで、彼らが進化の過程で獲得したユニークな食事の工夫や、食べ物を得るための行動(採食行動)に隠された秘密を探ってみましょう。
※この記事に掲載している画像はイメージです。実際の団体、個人、店舗、商品などとは異なる場合があります。
🥩 1. ゾーン8(肉食動物):獲物の生命を活かす食事

ゾーン8のライオンやトラといった肉食動物は、当然ながら肉を主食とします。彼らに与えられる食事は、単に肉の塊ではありません。
肉食動物の食事と命の活用
野生下では、獲物の肉だけでなく骨や内臓も食べ、必要な栄養をすべて摂取します。安佐動物公園でも、動物たちの健康を維持し、野生に近い栄養バランスを再現するために、工夫がされています。
- 骨や内臓も活用:人間が食肉としない部位(鶏頭など)や、採卵を終えた鶏なども肉食動物の飼料として活用され、命をできる限り役立てるという考えが根付いています。
- 採食エンリッチメント:ただ皿に置くのではなく、肉を木に吊るしたり、特定の場所に隠したりすることで、彼らが**「獲物を探す」「捕らえる」**という狩りの本能的な行動を引き出す工夫(エンリッチメント)が施されます。

🐘 2. ゾーン2(アフリカの動物):マルミミゾウの森林食
ゾーン2(アフリカの動物)にいるマルミミゾウは、主にサバンナに生息する他のアフリカゾウとは異なり、熱帯雨林に特化して生息しています。そのため、食事や採食行動にもユニークな特徴があります。

マルミミゾウのユニークな採食行動リスト
- 多様な植物の採食:野生のマルミミゾウは、森林にある果実、樹皮、小枝、草など、300種類以上の植物を食べるとされています。これは、草原のゾウよりもはるかに多様な食事です。
- 森林の種子散布者:特に果実を好んで食べ、種子を消化せずに糞と一緒に排泄します。これにより、広範囲に種が撒かれ、熱帯雨林の多様性を育む重要な役割を担っています。
- 採食を促す工夫:動物園では、ゾウが本来持つ鼻を使ってエサを探す行動や、長い鼻や象牙を使い、木や樹皮に触れるなど、本来の採食行動と環境との関わりを促す工夫がされています。
また、同じゾーンのキリンは、高い位置にエサをセットすることで、彼らが首を伸ばして食べるという採食行動を引き出し、筋肉の健康維持に役立てています。
🦩 3. ゾーン1・5のスペシャリスト:特殊な摂食器官を持つ動物たち

動物園には、口の形や体の構造そのものが、特定の食事に特化して進化した動物たちもいます。
- フラミンゴ(ゾーン1):逆さに曲がった独特な嘴(くちばし)を持ち、水を吸い込んで、その中にいる藻類やプランクトンを漉し取って食べます。彼らのピンク色の体色を維持するために、天然色素を含む特殊なペレット(固形飼料)が与えられます。
- オオサンショウウオ(ゾーン5 はちゅうるい館):視覚はあまり発達していませんが、水中の獲物を感知し、一瞬で吸い込むように捕食します。彼らは代謝が遅いため、長期間食事をとらなくても生きられるという、進化の戦略を持っています。
🍴 4. 動物園の「食」を支える台所事情(参考)
安佐動物公園では、動物たちの多様な食事を支えるため、獣医師と飼育員が連携して細やかな管理を行っています。
- 飼料管理の専門性:動物ごとにエサの種類、量、与え方が細かく決められ、ペレット、乾草、野菜、肉魚、生き餌などが、栄養素や保存方法に応じて厳密に分けて管理されています。
- リサイクルの取り組み:動物のフンを堆肥化し、野菜や牧草づくりに活用するなど、資源を循環させる取り組みも行われています。
🗺️ 安佐動物公園アクセス情報(参考)
本記事に記載の情報は執筆時点のものです。開園時間や展示動物に関する最新の情報は安佐動物公園の公式ウェブサイトでご確認ください。
| 項目 | 情報 |
| 名称 | 広島市安佐動物公園 (Asa Zoological Park) |
| 所在地 | 〒731-3355 広島市安佐北区安佐町大字動物園 |
| 開園時間・休園日 | 公式サイトをご確認ください。 |
| 連絡先 | 082-838-1111(代表) |
動物たちが食事をしている姿は、彼らが進化の歴史の中で獲得した生きるための知恵そのものです。次に動物園を訪れる際は、彼らの「食」の風景に注目してみてください。


コメント