命のバトンをつなぐ「動物たちの繁殖基地」へ
動物園は楽しいレジャー施設であると同時に、地球上の動物たちの「種の保存」という重要な役割を担っています。特に、野生での生息数が激減している絶滅危惧種にとって、動物園は最後の砦となる「繁殖基地」としての役割が期待されています。
安佐動物公園は、その繁殖技術の高さから「動物たちの繁殖基地」と呼ばれることもあり、多くの絶滅危惧種の保全に積極的に取り組んでいます。
今回は、IUCN(国際自然保護連合)のレッドリストに掲載されている、安佐動物公園の代表的な希少動物たちをご紹介します。彼らの存在を通して、私たちと地球の未来について考えてみましょう。
※この記事に掲載している画像はイメージです。実際の団体、個人、店舗、商品などとは異なる場合があります。
1. 深刻な危機(CR)にある、大型動物と両生類
IUCNレッドリストで最も絶滅の危険が高いランクの1つ、「深刻な危機(CR:Critically Endangered)」に分類されている動物が安佐動物公園にはいます。
(1) マルミミゾウ
アフリカに生息するゾウの一種で、森林破壊や密猟により個体数が激減しています。安佐動物公園は、この希少なマルミミゾウを飼育し、繁殖にも力を入れています。国内でも非常に限られた場所でしか見ることのできない貴重な存在であり、その繁殖への取り組みは種の保全において大きなニュースとなっています。
- IUCNレッドリスト: 深刻な危機(CR)
- 安佐動物公園での役割: 飼育下での繁殖に取り組み、種の系統維持に貢献しています。
(2) クロサイ
クロサイは、角を目的とした密猟により野生での数が激減し、「深刻な危機(CR)」に指定されています。安佐動物公園では、雌の「ハナ」が当時世界記録となる出産頭数を記録するなど、長年にわたり繁殖に成功し、世界の動物園のクロサイの系統維持に大きく貢献しています。
- IUCNレッドリスト: 深刻な危機(CR)
- 安佐動物公園での役割: クロサイの血統登録管理を担い、国際的な繁殖計画に参加しています。

(3) シジュウカラガン
日本でも越冬していたカモの仲間ですが、現在は野生での個体数が極めて少なく、「深刻な危機(CR)」に指定されています。安佐動物公園の**日本・アジアの動物(ゾーン6)**などで見ることができます。
- IUCNレッドリスト: 深刻な危機(CR)
- 安佐動物公園での役割: 飼育下での保全・増殖に取り組んでいます。

2. 危機(EN)や危急(VU)に指定されている動物たち
「絶滅の危機」は身近な動物にも及んでいます。
| 動物名 | 絶滅危惧ランク(IUCN) | 安佐動物公園での主な展示ゾーン |
| レッサーパンダ | 危機(EN:Endangered) | 西園の動物(ゾーン7) |
| アムールヒョウ | 危急(VU:Vulnerable) | 肉食動物(ゾーン8) |
| マレーバク | 危急(VU:Vulnerable) | 日本・アジアの動物(ゾーン6) |
| オオサンショウウオ | 危機(EN:Endangered) | はちゅうるい館(ゾーン5) |
特にレッサーパンダは、その愛らしい姿から絶滅危惧種であることがあまり知られていませんが、森林破壊などにより野生での数が減少しています。安佐動物公園も繁殖計画に基づき、動物の交換や貸し借りを行いながら、種の保存に努めています。
また、オオサンショウウオは、安佐動物公園が飼育下での産卵に日本で初めて成功した、歴史的な繁殖実績を持つ動物です。
3. 動物園が果たす「種の保存」の役割
動物園の使命は、ただ動物を展示するだけでなく、これらの絶滅の危機に瀕した動物たちを「将来の野生復帰」や「系統の維持」のために飼育・繁殖させることです。
安佐動物公園の飼育員の方々は、動物たちの生態や行動を詳細に研究し、より良い繁殖環境を提供するための努力を日々続けています。
彼らが取り組んでいる繁殖活動や保全研究の成果は、国内外から高い評価を受けており、私たちが動物園を訪れることは、こうした種の保存活動を間接的に支援することにもつながっています。
安佐動物公園を訪れる際は、彼らの生息地の現状にも思いを馳せてみてください。
【ご来園前の注意】 ※この記事で紹介している動物は、天候や動物の体調、施設の都合などにより、展示内容が急遽変更・中止となる場合があります。最新の展示状況や、マルミミゾウの繁殖状況、IUCNレッドリストの最新情報については、安佐動物公園の公式ウェブサイトなどで事前にご確認のうえ、お出かけください。


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