宮島水族館(みやじマリン)といえば、瀬戸内海の豊かな魚たちや、愛らしい海獣たちを思い浮かべますが、実は山と海が近い宮島という環境を活かし、里山や干潟の生き物にも焦点を当てたユニークな展示を行っています。
島全体が世界遺産の厳島神社の社域であり、豊かな自然が残る宮島。この記事では、宮島水族館の「山から海へ」ゾーンなどで出会える、水族館の枠を超えた陸の生き物たちと、彼らが暮らす宮島の環境についてご紹介します。
※この記事に掲載している画像はイメージです。実際の団体、個人、店舗、商品などとは異なる場合があります。
1. 「山から海へ」:陸と水辺の生き物たちの展示
宮島水族館の「山から海へ」ゾーンは、廿日市市の上流域から河口域までの里山風景を再現しており、宮島の自然が山と海で繋がっていることを示しています。
展示で見られる代表的な両生類
- ニホンヒキガエル(アズマヒキガエル): 宮島の湿地にも生息する身近なカエルです。ヒキガエルはあまり大きくジャンプせず、じっと観察できるため、そのユニークな体形や動きを間近で楽しむことができます。水族館では、彼らの生態を通して、宮島の自然環境の豊かさを伝えています。
2. 宮島の宝!水族館が守る「絶滅危惧種」
宮島には、その独特な環境によって、世界的に見ても非常に希少な生き物が暮らしています。
ミヤジマトンボの保護活動への貢献
- ミヤジマトンボとは? このトンボは、国内では広島県宮島にのみ生息する固有亜種です。絶滅危惧Ⅰ類に分類され、極めて絶滅が心配される種の一つとされています。 彼らは、山からの真水と満潮時の海水が混ざり合う潮汐湿地(ちょうせきしっち)という、非常に限られた環境にしか生息できません。
- 水族館の役割: 宮島水族館は、このミヤジマトンボの保護活動を担う団体と連携し、幼虫の人工飼育技術の確立や継承に取り組んでいます。これは、万が一の環境異変(台風など)があった際の絶滅を回避するための重要な取り組みであり、水族館が展示だけでなく、種の保全にも貢献していることを示しています。

3. 海の生き物と繋がる「干潟」の生き物たち
水族館の展示は、里山のカエルやトンボの話題だけでなく、海の入り口である「干潟」の生き物にも焦点を当てています。
瀬戸内海特有の大きな干満の差によって、宮島周辺にも広大な干潟が形成されます。
干潟で見られるユニークな生き物の例
- カニの仲間: 潮が引いた後の干潟には、多くの種類のカニやヤドカリが活動しています。特にオスが片方の大きなハサミを振る行動で知られるシオマネキの仲間などは、干潟の象徴的な存在です。
- 貝の仲間: アサリやカキ、その他の二枚貝や巻貝など、多くの貝類が泥や砂の中で生活しており、水質の浄化にも貢献しています。
水族館で展示される魚たちの多くも、仔魚(しぎょ)の時期を干潟や藻場(もば)で過ごすなど、陸と海は密接に繋がっています。宮島を訪れる際は、水族館の展示を通して、この島の豊かな自然の連なりを感じてみてください。


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