瀬戸内海に浮かぶ生命のゆりかご!宮島水族館「カキ筏(いかだ)」の生態系とユニークな住人たち

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広島湾から宮島へとフェリーで向かう際、穏やかな海に無数に浮かぶ**カキ筏(いかだ)**の風景は、広島を象徴する光景の一つです。このカキ筏は、広島名産の牡蠣を育てる養殖施設であると同時に、海中の生き物にとって重要な住処となっています。

宮島水族館(みやじマリン)では、この地元特有の風景を再現した**「海のめぐみ(カキいかだ水槽)」**を展示しています。

この記事では、宮島水族館の展示を通して、普段は見ることのできないカキ筏の海中世界と、そこに暮らすユニークな生き物たち、そしてカキが果たす環境への役割についてご紹介します。

※この記事に掲載している画像はイメージです。実際の団体、個人、店舗、商品などとは異なる場合があります。


1. 宮島水族館の「カキいかだ水槽」が伝えること

宮島水族館の「カキいかだ水槽」は、実際に広島湾で使われていたカキ養殖の仕掛けをそのまま再現し、海中の様子をリアルに観察できる、全国でも珍しい展示です。

普段は見られない海中世界

カキ筏は、海面に浮かぶ木やプラスチックの台の下に、ロープでカキを連ねて海中に吊るす「筏式垂下法(いかだしきすいかほう)」で養殖されています。

この水槽では、水面の上から覗くための箱めがねや、水面下から観察できる小窓が設けられており、普段は漁師さんでもなかなか見ることができない、海中深くのカキ筏の様子を多角的に観察できます。

  • チェックポイント: 実際にご覧になる際は、カキの殻だけでなく、ロープや筏の構造物に何が付着しているかにも注目してみてください。

2. カキ筏は「生命の集合住宅」:そこに暮らす生き物たち

カキ筏は、単純な養殖設備ではなく、海中に新たな構造物を提供することで、瀬戸内海の豊かな生態系の一部として機能しています。

カキ筏を住処・餌場にする生き物の例

暮らす生き物カキ筏での役割
小魚の群れ(カタクチイワシなど)筏の下にできる影や、構造物の複雑さによって、外敵から身を守る避難場所として利用されます。
ウマヅラハギ(地元では「ハゲ」)カキの殻に付着するゴカイやフジツボ、その他の小動物を食べるため、カキ筏の周りに集まってきます。「肝」が肥えていることから地元で珍重されます。
ギンポ・ハゼの仲間垂れ下がったロープやカキの塊の隙間を隠れ家とし、産卵場所として利用するなど、定住性の高い生き物の住処となります。
フジツボ・ホヤなどの付着生物カキの殻や垂下連(すいかれん:カキを吊るすロープ)自体に付着し、複雑な空間を作り出します。

カキ筏という構造体が、魚や底生生物の隠れ家や餌場、産卵場所を提供し、多様な生物が集まる「海の集合住宅」の役割を果たしているのです。


3. カキは海をきれいにする「海の清掃員」

牡蠣は、私たちに美味しい恵みを与えるだけでなく、海の環境保全にも大きく貢献しています。

  • 高い濾過能力(ろか能力): 牡蠣は、エラを使って海水を吸い込み、その中に含まれる植物プランクトンを濾し取って餌にします。この活動によって、海水中の余分な懸濁物(にごりのもと)やプランクトンを効率的に取り除き、海水の浄化に貢献します。

カキ筏が広がる広島湾は、太田川などの河川から豊富な栄養分が流れ込むため、プランクトンが豊富でカキの生育に適しています。カキの濾過能力と、河川からの栄養供給が絶妙なバランスで作用し合うことで、瀬戸内海特有の豊かな環境が保たれているのです。

宮島水族館でカキ筏の展示を見る際は、その裏側にある海の豊かな生態系と、広島湾の環境が結びついている壮大な物語を感じ取ってみてください。

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