街中で見かけるカラスやハト。「かわいいから」「かわいそうだから」と、つい餌を与えてしまう人もいるかもしれません。しかし、こうした**「餌付け行為」**や、餌につながる不適切な環境づくりは、結果として鳥たちの健康を害し、私たち自身の生活環境に深刻な被害をもたらします。
都市の鳥たちとの適切な距離感を保ち、衛生リスクから身を守るために、彼らがもたらす問題と、今日から実践できる正しい対処法をご紹介します。
※この記事に掲載している画像はイメージです。実際の団体、個人、店舗、商品などとは異なる場合があります。
1. 「かわいい」の裏側にある衛生リスク
ハトやカラスが集団で生息することで、最も懸念されるのは「糞害」です。この糞には、私たちの健康を脅かす様々なリスクが潜んでいます。
- 病原菌・感染症のリスク 鳥の糞には、オウム病クラミジアやクリプトコッカス症、ヒストプラズマ症などの病原菌が含まれている可能性があります。これらは乾燥した糞が粉末となって舞い上がり、それを人が吸い込むことで感染する恐れがあります。
- ダニ・害虫の発生源 鳥の巣や糞が溜まった場所は、トリサシダニやその他の害虫の温床となります。これらのダニは、鳥が巣を離れた後、人間に被害を及ぼすことがあります。
- 建物の劣化 鳥の糞は酸性が強く、付着した状態を放置すると、建物の外壁やベランダ、屋根、車の塗装などを腐食・劣化させる原因となります。
2. 「餌付け」が招く3つの大きな問題
意図的な餌付けはもちろん、不適切なゴミの管理などによる間接的な餌付けも、次のような問題を引き起こします。
- 個体数の増加と依存 餌付けにより栄養状態が良くなり、ハトの繁殖回数が増加し、個体数が爆発的に増えます。また、人に餌をもらうことに慣れると、自力で餌を探す能力(野性)が失われ、人間が与える餌に依存するようになります。
- 糞害・騒音の集中 餌を与えられる場所に鳥が集中するため、その周辺地域で糞害が深刻化し、鳴き声による騒音トラブルも増加します。
- 警戒心の低下と人への攻撃 特にカラスは、巣や雛を守る時期(主に春から夏)に、餌を与えられて人を恐れなくなったことで、威嚇や攻撃を仕掛けてくるリスクが高まります。

3. 今日からできる!鳥を寄せ付けない正しい対処法

鳥を寄せ付けないための対策は、「餌場をなくすこと」と「棲み処をなくすこと」の2点が基本です。
【鳥害対策の基本リスト】
- 餌となるものを徹底的に排除する
- 生ゴミの管理: カラスは視覚で餌を探します。生ゴミは外から見えないように包み、フタ付きの容器に入れたり、隙間ができないようにネットをかけたりして、収集場所に出しましょう。
- 屋外の清掃: 庭やベランダに、鳥が食べられるようなペットの食べ残し、落ちた果実、こぼれた種子などを放置しないでください。
- 巣を作らせない環境づくり(特にハト)
- ベランダの整理: ベランダの室外機や植木鉢の影は、ハトの格好の営巣場所です。不要なものは片付け、室外機と壁の隙間を塞ぎましょう。
- 着地させない工夫: ベランダの手すりや室外機の上など、鳥が止まる場所に鳥避けスパイクや**テグス(釣り糸)**を張ることで、着地しにくい環境を作ります。(テグス設置の際は、鳥が絡まないよう十分な注意が必要です。)
- 建物への侵入経路を遮断する
- ベランダ全体を防鳥ネットで覆うことは、ハトの侵入を物理的に防ぐ最も確実な方法の一つです。
4. 深刻な被害には専門家への相談を
すでにハトが巣を作りフンが大量に堆積している場合や、カラスの威嚇が続く場合は、自力での解決は困難であり、「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律(鳥獣保護管理法)」により、野生の鳥の卵や雛、巣を許可なく撤去・処分することはできません。
広島市などの自治体でも、カラスの巣の撤去・処分は「鳥獣保護管理法」により規制されているため、まずは最寄りの担当課(広島市の場合は経済観光局農林水産部農政課鳥獣対策担当など)に規制内容や対処法について相談するか、専門の業者に依頼するのが確実です。
【相談先の例】
広島県内には、ハトやカラスなどの鳥害対策、巣の撤去、清掃、防鳥ネット設置を専門に行う業者が多数あります。
- 例えば、**「広島市鳩よけ対策センター」や「広島県薬業株式会社」**など、地域で実績を持つ業者は、鳥の生態を理解した上で、効果的な防除対策や衛生的な清掃・消毒を実施しています。(※特定の業者・サービスを推奨するものではありません。)
都市で鳥たちと共存するためには、「餌付けは愛情ではない」という認識を持ち、ルールとマナーを守った正しい対処法を実践していくことが大切です。


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